同志社クイズ【 Level 3-1 】

同志社クイズ【 level 3-1 】

Q1,
 新島に『ロビンソン・クルーソー物語』(日本語抄訳)に匹敵する大きな刺激を与えたアメリカに関する地歴書があった。宣教師E・C・ブリッジマンが漢文で書いた、その書籍名は?


A: 連邦志略  
B: 甘雨亭叢書(かんうていそうしょ)


Q2,
 新島が函館を出る時、身の回り品は全て売り払ったが、大小二本の刀は温存した。武士の魂だからである。その刀を外国人船員とのトラブルであわや抜こうとした事件が船中で起きた。激怒した新島は船室に駆け戻り刀を手に部屋を飛び出そうとした。そのトラブルの原因は?


A: 言葉が通じず外国人船員に殴られた
B: 寝過ごして厳しく外国人船員に罵倒された


Q3,
 新島が入学したフィリップス・アカデミーは全寮制のハイスクールであったが、新島は入寮せず代わりに下宿をした。理由は?


A: アジア人だから  
B: 英語力が不十分のため







↓ 解答はこちら ↓




《解答》
1,A
2,A
3,B




◆解説,1
 ブリッジマン(E.C.Bridgman)はボストンのミッション(アメリカン・ボード)から上海に派遣されていた宣教師。彼が漢文で書いた『連邦志略』を読んだ新島は、「驚嘆のあまり、私の脳はとろけそうな」衝撃を受けたと記している。彼は同書により、アメリカ留学を夢見るようになるが、留学できた学校が奇しくもブリッジマンの母校であるアーモスト大学やアンドーヴァー神学校であったのは、興味深い。さらに新島はブリッジマンと同じく、アメリカン・ボードの宣教師に取り立てられ、日本伝道のために帰国した。
 『甘雨亭叢書』は、「甘雨亭」と号する学者大名・板倉勝明が編集、出版した貴重な著作集で、新井白石を始めとする三十四名の文人たちの著作を収録する。


◆解説,2
 新島は函館を出る時、福士から外国に行くなら不要になるから髷(まげ)をおろし、刀(大小二刀)は持参しないようにと忠告されたが、聞き入れなかった。武士の「必需品」であったからである。船中で外国人船員から英語で「枕をもってくるように」と命じられたとき、聞き取ることができなかったために殴打された。親からも殴られたことがなかった武士の子ゆえに、外国人から暴力を振るわれたからには、刀で成敗しなければならぬ、と考えた。
 

◆解説,3
 新島は漢学と蘭学の学習は江戸で行なっているが、英語は本格的に学んだことがない。渡米の途次、船上で外国人船員と接触する程度であったので、英語力はきわめて貧しかった。
名門校の授業について行くためにも、英語の個人レッスンが必要であった。