同志社人インタビュー第4回 ~河内優太朗さん、康太朗さん~

同志社人インタビュー第4回目は、前回海平さんにご紹介いただいた、
株式会社ロマンライフの河内優太朗さん康太朗さんご兄弟の登場です!

ロマンライフが運営する「ロマンの森」を訪問させていただき、貴重なお話を沢山お伺いすることができました。
ぜひ最後までご覧ください♪


*ロマンの森…洋菓子店「京都北山 マールブランシュ」を運営する株式会社ロマンライフの本社屋(山科区)にある。ショップ、カフェ、工房、本社機能を備えた大型店舗。

≪プロフィール≫
河内 優太朗氏(写真:左)/「株式会社ロマンライフ」 常務取締役
 2007年同志社大学商学部卒業。銀行で法人営業を担当し、その後某上場企業の総務法務部にて1年勤務。2010年にロマンライフへ入社。製造部門やマールブランシュ京都北山本店の店長勤務などの現場業務を経て2018年に常務取締役に就任。

河内 康太朗氏(写真:右)/「株式会社ロマンライフ」 取締役
 2009年同志社大学経済学部を卒業。東京都にて食品メーカーの営業職に就く。2014年の秋にロマンライフ入社。商品開発部門、マーケティング、広報部門を経て2018年に取締役に就任。現在は鶏料理を中心とするレストラン部門の事業責任者も担う。


インタビュアー
・同志社大学法学部4年次生
 青木 菜々子(写真:右から2番目)

・同志社女子高等学校3年生
 奥山  琴(写真:左から2番目)
 大田 采佳(写真:中央)
 
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マールブランシュの「これは絶対に曲げられない」というこだわりはありますか。

(優太朗さん)「京都クオリティ」という点です。京都クオリティとは、商品やサービスを通して、京都の文化や色合い、香りをお客様に感じて頂くということです。私たちにとって、この点がオンリーワンのコンセプトであり、特にこだわっているところです。

(康太朗さん)現在は、飲食店の事業も進めているのですが、私たちの会社はずっと、京都の素材やブランドに支えられてきました。なので、京都という地に感謝するとともに、私たちが展開している飲食店では地産地消にこだわっています。京都で作られた野菜などの素材を、どれだけ美味しくお客様に提供することができるかを、今、一生懸命考えています。


─────京都の地との繋がりをとても大切にされているのですね。

地域との繋がりを途絶えさせないように心がけていることや、地域に根ざすことにこだわった商品などはありますか。

(優太朗さん)生産者の方々と深く繋がることを心がけています。例えば、「茶の菓」という商品に関しては、お抹茶の生産者の方と頻繁にコミュニケーションをとったり、茶摘みのお手伝いに行ったりしています。生産者の方々との繋がりを深めたことで、お客様に対して、商品の深みやこだわりをより伝えることができるようになりました。

(康太朗さん)私は、農家の方々の畑に訪れることが大好きなのですが、農家の方のアイデアからできた商品もあります。例えば、夏限定で販売される「涼茶の菓」は、農家の方からお茶の特性を聞き、一緒に話し合ったことをきっかけにできたお菓子です。生産者の方々とコミュニケーションをとることで、様々な知識を教えて頂けるのが、私たちの強みです。

─────生産者の方々とのコミュニケーションをきっかけにできた商品もあるのですね。京都という地に支えられてきたからこそ、地元の食材や素材を通じて、多くのお客様に京都の良さを伝えたいというお二人の想いが強く伝わってきました。

お二人でロマンライフを支え、経営に携わるなかで、兄弟であるからこその強みはありますか。

(康太朗さん)兄弟であるからこそ、想いが一致すれば、2倍の力で事業を推進させていくことができるので、その点が強みだと思います。

(優太朗さん)僕も、同じ目標に向かう推進力は誰にも負けないと思います。目標にズレがあると、兄弟間でもすれ違いが生じてしまうと思うのですが、「社員の人たちの幸せのため」「お客様の未来の笑顔のため」という目標が兄弟、そして家族で共有できているので、この目標に向かって事業を推進させていく力は2倍以上あると思います。なので、目標を共有するためにも、家族や社員と「未来の話」をする機会を大切にしています。

(写真:幼少時代のお二人)



─────次に、お二人の学生生活について、お伺いしたいと思います。

同志社で学生生活を過ごした中で、一番思い出に残っていることは何ですか。

(優太朗さん)何か大きなことを成し遂げた、という経験はないのですが、友人たちと過ごした何気ない日常がとても楽しかったです。あと、大学のときにサッカーサークルのキャプテンもしていたのですが、その経験も大切な思い出となっています。

(康太朗さん)高校のサッカー部での経験が思い出に残っています。最後の試合で負けたとき、とても悔しくて、3年間一緒に練習してきたメンバーと本気でボロ泣きしました。

(お二人の大学生時代のお写真 左:優太朗さん 右:康太朗さん)


─────自由な校風の中で、ご友人の方々と、様々な経験をされてきたのですね。

同志社を卒業した後も、同志社でのネットワークが事業を進める中で助けになったりしたことはありますか。

(優太朗さん)京都で商売をしていると、そのような経験は沢山あります。同志社で学生生活を送り、その後も京都で過ごしたり、商売をしたりする方々と出会う機会はとても多いです。このような人脈の濃さは同志社ならではかもしれないですね。

(康太朗さん)同志社の卒業生とは、日常的に繋がっている感覚があります。「同志社を卒業していれば、みんな友だち!」というような仲間意識がある点が、同志社の良いところだと思います。

今後の夢はありますか?

(優太朗さん)「あつくるしい会社」にしていきたいという夢があります。私自身、学生時代に仲間と何か成し遂げたという経験がなく、自分にとって、それが一つの後悔でした。しかし、この会社でロマンの森の立ち上げから、コロナ禍での店舗オープンに携わったことで、まだまだ、仕事の中でも青春はできると感じました。社員の人たちにも、この会社で、今までしたことがない努力や、挫折に立ち向かって成長したり、仲間と何かを成し遂げたりする経験をしてほしいですし、そのようなことができる会社にしたいと思っています。

最後に、後輩の私たちへのメッセージをお願いします!

(康太朗さん)学生の皆さんには、ぜひ、夢を持ってほしいなと思います。夢を持つことができれば、そこに向かって努力することができますし、「向かうことができるもの・夢」がある、ということほど、幸せなことはないと思っています。

(優太朗さん)必ず良い仲間に出会うことができるということを信じて、そのために自分をどんどん表現していってほしいなと思います。自分が良い仲間だと思えるかどうかは、やはり、自己開示をして、自分を相手にさらけだしていくことが必要です。自分の弱いところも含めて、全て正直に伝えることで、共感したり、一緒に頑張ったりしてくれる仲間が集まってきてくれますし、自分の人生を豊かにできるのではないかと思います。

インタビューを終えて感想

■青木菜々子さん(同志社大学法学部4年次生)
「京都」という地を大切にされているお二人のお話が印象的でした。特に、インタビューを通じて、京都で作られた素材や食材を活かしたお菓子やお料理を、多くのお客様に発信することで、京都の地に恩返しをしていきたいというお二人の想いが強く伝わってきました。そして、そのような想いがあるからこそ、京都を中心に、多くの人々に愛されるお菓子や店舗を作ることができるのだと感じました。
私自身、社会人として働く前に、お二人のお話を聞くことができ、とても嬉しかったです。いつも夢や目標を持ち、その実現に向かって努力されているお二人のように、社会に出た後、私も夢や目標を持つとともに、それを実現するために、一生懸命努力していきたいと思います。

■奥山琴さん(同志社女子高等学校3年生)
同志社で過ごして、一番思い出に残っていることを質問した時に、お二人共「友人と過ごした日々」と答えられていたのが印象的でした。様々な行事がある中で、それでも何気ない日々が一番の思い出になっていることが素敵だと感じました。私も今は行事の一つ一つが記憶に残っていますが、いずれ友人と話したり遊んだりした日常が忘れられない思い出になるんだろうなと思いました。
また、お話を聞いて、人とのつながりを大事にしておられることが強く伝わってきました。社員の方やお茶農家の方など、一人一人を大切にし、思いやりを持って接しておられることがわかりました。そして、その思いやりは同志社で過ごして身についたものだとおっしゃっていました。人とのつながりや思いやりは社会に出ていく上で大切なものだと改めて感じました。
今回、貴重なお話を聞くことができ、本当に素敵な時間を過ごせました。このインタビューで学んだことを心に留めて成長していきたいです。

■大田采佳さん(同志社女子高等学校3年生)
幼い頃から知っていたマールブランシュの経営に携わっている河内優太郎さん、康太郎さんのお話を直接聞くことができて、多くのことを考えるきっかけになりました。
インタビューの中で、お二人がお客様だけでなく、生産者の方や社員の方々にも、とても思いやりをもって接しておられるのだなと感じました。その「思いやり」は同志社で過ごしたことによって身に付き、今活かせているのだとおっしゃっていました。また、「人との繋がり」を大切にされているともお聞きし、人と人の繋がりで大切なものは「思いやり」だと感じました。このお話を通して、「思いやり」とは相手に感謝の気持ちを持ち、その気持ちを言葉にして伝えることから始まるのだと思いました。
これから先、私自身も人との繋がり、そして周りの人に対して思いやりの心を大切にして過ごしていきたいと思います。

【次回の同志社人インタビューに登場してくださる方をご紹介いただけないでしょうか。】

裏千家の茶道資料館副館長を務められる伊住禮次朗さんを紹介させていただきます。
同志社大学卒業後、茶釜研究の論文にて博士号を取得。
お父様の意を受け継ぎ「茶美会」という茶の湯文化の本質を研究される文化人です。
京都に生まれ育てられた私たちが定期的に意見交換をしている大切な友人です。
脈々と受け継がれる文化に新たな息吹を加えながら自由に発想される姿は同志社人ならではと思い、次のバトンをお渡しさせていただきます。



——— 次回は、伊住禮次朗さん(同志社大学商学部卒業)にご登場いただきます。お楽しみに!