今出川キャンパス開催 香老舗「松栄堂」協賛 匂い香づくり教室

来る2025年、いよいよ学校法人同志社は創立150周年を迎えます。これを記念するために、現在様々な事業が展開されています。その記念事業の一環として、8月24日に同志社国際中学校・高等学校、25日に同志社大学今出川キャンパスで、同志社内の小学生から大学生を対象に匂い香づくり教室が開催されました。2日間にわたって開催された本イベント。この記事では、8月25日に今出川キャンパスにて開催された匂い香づくり教室の様子をお届けします!
京都の香老舗 松栄堂から広報の方をお招きし、お香の種類や原料、そして日本の香りや文化などを教えていただけるという特別な一日になりました。

松栄堂のお香

松栄堂とは、創業から約300年の歴史を持つお香の製造・販売をしている企業です。
現在は12代目。伝統に培われた豊かな経験値・情報力・技術力で、匠の心を守り継ぎながら、時の移り変わりとともに、人々のライフスタイルに寄り添った新しい香りを創造し続けています。
ひとえにお香と言っても、その種類はいろいろ。直接火をつけるお香や常温で香るお香、間接的に熱を加えるお香など様々です。今回の教室で作ったのは、火を使わず常温で香るタイプの匂い香。匂い香とは、白檀(びゃくだん)や丁子(ちょうじ)、甘松(かんしょう)、竜脳(りゅうのう)などの常温でも香るタイプの香料を刻んで調合した匂い香を袋に入れたものです。使用場所によって異なりますが、香りは長ければ1年ほど持つそうです。

当日の様子をお届けします!

はじめに、このイベントを企画した同志社大学経済学部3年の西田楓さんと、同志社大学文化情報学部3年の髙田友里子さんから、同志社創立150周年記念の匂い香オリジナルパッケージについての説明がありました。

松栄堂の広報、辻さんによるレクチャーの様子。
普段の生活の中であまり意識されない”香り”。しかし、感じ方は人それぞれ。
このイベントでは、参加者ひとりひとりが、”自分の感じる香り”にしっかりと集中していきます。

参加者の皆さん、様々なお香の種類や原料、日本の香りや文化について、興味津々のようです。

匂い香づくりのための調合キット。この日は全部で7種類の香りのタブレットが用意されていました。

パッケージを組み立てたら、早速匂い香づくりに取り掛かります!まずは試しに全てのタブレットの匂いを嗅いでみましょう。クンクン....。

松栄堂の広報の方のアドバイスも参考にしながら...。

お気に入りの匂いを組み合わせて、自分だけのオリジナルの香りを調合していきます。

調合のレシピが決まったら、忘れないようにしっかりとメモ。

全てのお香を袋に入れて…。

袋が破れないように、ゆっくりと優しくタブレットをつぶして、混ぜていきます。

十分に香りが混ざったら、袋とパッケージをリボンで結びます。この作業が意外と難しい...。

完成ー!!2つの匂い香のうち1つは、同志社の各学校に設置されます。

参加した生徒に感想を聞いてみました!

ーーどんな匂いがする?
「丁子(ちょうじ)はなんかカレーみたいな匂いがする!」
「桂皮(けいひ)はなんか八つ橋みたいな匂い。」
他にも化粧品や朝の露天風呂など、匂いを様々な物に例えていて、生徒さんの豊かな表現力に感動しました。

ーーどの匂いが一番好きだった?
「ラベンダーが一番好き。でもそれ以外は全部苦手...。」

ーーどんな匂いになった?
「なんか想像と違う匂いになったけど、これはこれで好きかも。」

ーーどこが一番難しかった?
「香りのタブレットを揉むところです。思ったより固くて苦戦しました。」

ーー持って帰ったらどこに置きたい?
「トイレに置いたら良い匂いしそうだから、そこに置きたい!」

教室終了後、広報の辻さんにインタビューを行いました!

ーー普段からこういった匂い香づくり教室をされているんですか?
会社としては3、40年程前からですね。催事会場やお子さん向けの教室も何度か開いています。今回は皆さん向けに内容をアレンジしてみました。

ーー辻さんの思うお香の魅力は何ですか?
日本のお香の歴史は長く、約1400年前にスタートします。そのぐらいの歴史のフィルターがかかっているので、お香が面白いものというのは間違いないです。ただ、その魅力をどう現代の生活に合わせて伝えていくか、それが私たちのテーマです。

ーーお香と言えばやっぱり古いというか、とっつきにくい堅苦しいイメージがあります...。
そう言われることが多いですね。歴史や文化をお話しすると同時に、素直に香りそのものをどう楽しんでもらうかを大切に活動しています。

ーーこれを読んだ皆さんに何か伝えたいことはありますか?
「古いもの=堅苦しいもの」ではないということを感じてほしいですね。長く続いているということはそれほどの魅力があるということなので、先入観を持たずに色々な歴史や文化に触れてもらえたらなと思います。

イベント企画者の二人にもお話を聞いてみました!

イベント企画者の西田(写真左)と髙田(写真右)

ーーなぜ今回、匂い香づくり教室を開こうと思ったのですか?
髙田「大学に新しく入ってくる人に150周年のことを知ってほしくてイベントを考えました。私が同志社大学に初めに持った印象がトイレの寒さで、トイレに関係することで深く人に印象付けられるものは何だろうと考えたときに、”香り”が思いつきました。」

ーーお二人で考えたアイデアを実現させる中で、何か難しかったことはありましたか?
西田「考えたアイデアを実現させるというのは私自身初めての経験で、制約がある中でアイデアを調整していくのが大変でした。でも、一つずつ課題をクリアしていく感覚はすごく楽しかったです。」

髙田「大変なことは多かったけど、想像よりも思い通りになったなという印象です。自分たちがやりたいことに賛同してくれる方がすごく多くて、大人達がそれを実現させようと動いてくれたのが嬉しかったです。」

ーー今回作った匂い香は学内のどこに設置する予定ですか?
西田「同志社大学のキャンパスではトイレに設置する予定です。トイレに設置することで150周年の認知を広め、2025年に150周年を迎えるタイミングで学校中の盛り上がりに貢献できれば、私としては本望です。」

最後に

今回は、今出川キャンパスで行われた匂い香づくり教室の様子についてお伝えしました!
最後にミニキャンパスツアーも行い、来るべき同志社創立150周年に向け、小学生から大学生までより一つになれたのではないでしょうか。
短い時間でしたが、お香の魅力を肌で体感することができた、そんな一日になったのではないかと思います。

執筆者情報

■武田宙(ライター)
同志社大学文学部英文学科3年

■都築玲子(ライター)
同志社大学商学部商学科2年

■池愛莉(カメラマン)
同志社大学政策学部政策学科2年

以上、同志社大学広告研究会add’sの3人がお伝えしました!