学校法人同志社創立150周年記念講演会「同志社と早稲田」 報告レポート

 本学体育会硬式野球部は、毎年3月下旬に早稲田大学野球部と定期戦を開催している。本年は3月23日に近江八幡市招待試合として、近江八幡市市営球場で開催された(残念ながら定期戦は6対7で惜敗した)。その前日の3月22日に良心館地下2番教室において、同志社創立150周年記念講演会「同志社と早稲田」が開催された。本講演会は、創立150周年にあたり、「新島精神」を再確認し、その「新島精神」を受け継ぎ、早稲田大学の前身であった東京専門学校に奉職した哲学者の大西祝やキリスト教社会主義者であり「学生野球の父」と呼ばれている安部磯雄の功績を振り返り、両校と両校野球部の将来を考察する機会として、硬式野球部が企画したものである。学校法人同志社と硬式野球部の共催企画として行われた。なお、同志社校友会、同志社大学野球部OB会、早稲田大学野球部、早稲田大学校友会、早稲田大学稲門倶楽部からご後援をいただいた。
 開会にあたり、創立150周年記念事業全体の企画、運営を担っている同志社未来創造プロジェクトメンバーである横井和彦経済学部長から祈祷があった。
 続いて、八田英二総長・理事長から、開会挨拶があった。挨拶の中で、新島襄と大隈重信が懇意であり、大隈から同志社設立の為に多額の寄付があったこと、大西や安部以外にも同志社から早稲田に移った数名の研究者がいたこと、そして現在の交流学生制度の紹介があった。
 その後、望月詩史本学法学部教授から「同志社と早稲田をつなぐ人々とその精神」と題して講演があった。
 講演では、まず、両校をつなぐ精神として「自由の精神」が挙げられた。元々、早稲田には「自由な雰囲気」が存在しており、自由の精神がそれを支えていたものの、この精神をより強固なものとしたのが、早稲田で教鞭を取った初期同志社の卒業生だったと説明された。それから、新島の感化を受けた大西と安部が取り上げられた。
 大西については、良心論や彼の批評活動が紹介された。良心論に関しては、「自由の精神を考えるとき、自分の中でなんらかの規律が不可欠であり、大西はそれを良心に求めた。良心が備わっている者が自由の精神の持ち主になり得る。」と解説された。
 続いて、安部の「野球の三徳」が紹介された。すなわち、「野球の三徳とは智仁勇であり、野球は心の敏捷(判断力)、犠牲バントに象徴される協同、球を恐れぬという勇気が養われる。安部は、自己規律を生み出すために精神修養を重視していたが、その点で非常に効力があると考えたのが野球だった。」と説明された。 
 最後に、「不寛容な時代になりつつある現在だからこそ、同志社と早稲田の教育の原点に存在する自由の精神がとても重要である。両校には、新島から大西、安部ら、そしてその門弟を経て引き継がれている自由の精神の学風があり、それを継承していかなければならない。」と結ばれた。
次に講演を受けて、日野愛郎早稲田大学野球部長から「自由の精神の源流にあるのが新島の考え、では新島の自由の精神の源流にあるのは何か。」との質問があり、望月教授から「一つは封建制の理不尽さに対して憤りを感じたこと。もう一つは、アメリカでキリスト教精神に立脚した個人の存在を目の当たりにしたこと。」との回答があった。
 さらに日野部長から同志社大学硬式野球部に対して「安部の自由の精神の中では自立の精神が強く、早稲田大学野球部にはそれが引き継がれている。同志社はどうか。」との質問があり、坂玲哉主将から「監督から主役は部員と言われ、自分たちで率先して動いていく。つまり、自立の精神が部員に浸透している。」との回答があった。
 改めて両校に流れる自由の精神を継承していくことの大切さを認識できた、大変有意義な講演会であった。なお、参加者は、本学硬式野球部員全員と定期戦に参加する早稲田大学野球部員を含めて約300名であった。