2025年1月23日(木)創立者永眠の日祈祷会が開催されました
奨励要約
1890年1月23日、校祖・新島襄先生は、大学設立を目前に志半ばで病に倒れ、46歳の若さで天に召されました。葬儀後、氷雨の中、生徒たちは勝海舟の書「彼等は世より取らんとす、我等は世に与えんとす」の幟とともに棺を担ぎ、若王子山頂へ登りました。
この言葉は、新島先生の人生や教育観を端的に表すものであり、同志社の奉仕の精神を象徴しています。多くの人が「得る」ことに価値を置く中、新島先生は「与えること」の意義を説き、アメリカ留学で受けた恩恵を次世代に返すことを使命として同志社を設立しました。学問や知識は自己のためだけでなく、社会に役立てるものという信念を持ち、それが同志社の原点となりました。
この精神は、マザーテレサの「受け取るよりも、与える」という生き方とも深く共鳴します。彼女は愛を持って小さな行動を重ねる意義を説き、「傷つくまで与えなさい」と語るように、自己犠牲を伴う行為こそが真の奉仕と信じました。この考え方は新島先生の理念と響き合い、「与えること」の価値を改めて示しています。
現代社会では、しばしば自己利益や達成に重きを置く風潮が見られますが、このような風潮の中でこそ、私たちは「他者のために何ができるか」を問い続けるべきです。新島先生は、キリスト教の信念に基づき、人が他者を思いやることで真の平和と共生が実現すると信じ、その理念を教育に生かしました。この精神を受け継ぐためには、表面的な行動にとどまらず、内面から他者への奉仕を大切にする価値観を築く必要があります。
創立者永眠の日にあたり、同志社の教育理念を再確認し、新島先生の教えを胸に「世に与える者」として社会に貢献できる未来を築きましょう。そして、創立150周年を迎える同志社が次の200周年に向けて発展するため、ともに歩み続けましょう。