最襄級リブランディングプロジェクト
同志社大学広告研究会add’s は、学校法人同志社・株式会社同志社エンタープライズ・赤穂化成株式会社のご協力のもと、同志社の水「最襄級」のリブランディング企画を立ち上げました。同志社の水「最襄級」新ラベルボトルは順次発売開始しています。
本企画発案者である、広告研究会add’s第25代会長の福本は、入学前から「最襄級」のラベルに対してブランドイメージを刷新したいと思っていました。そして広告やマーケティングに興味があり広告研究会に入会し、OBの方々が「最襄級」のネーミングを手がけていたということを知りました。ますます自分が「やるしかない」と使命感に駆られ、2022年9月に発売元である同志社エンタープライズさんに企画を提案しましたが、協議のなかで課題が見つかり採用されませんでした。なぜ採用されなかったのかを冷静に分析したところ、広告研究会が世に対して”実装できる団体”として実力を示す必要性があること、そして先方に対して企画採用に資する価値を示す必要性があることがわかり、座組そのものから再構築しました。
まず取り組んだのは、京都市交通局さんに対して「広告募集中の広告」の企画提案です。「財政難の京都市交通局を学生目線でなんとかしたい×コロナ禍の寂しい公共交通を盛り上げたい」という前代未聞のプロジェクト。コロナ禍が明けてもなお財政難の京都市交通局、殺風景で寂しい車内ではなく、通勤通学で何気なく触れる広告を何度もみていくうちに新たな気づきを得てもらいたい。そして、広告主に車内広告の価値を感じてもらい出稿を促したい。そんな想いで発案し、全く縁のなかった交通局本部に乗り込んでから7ヶ月、大学との交渉や、印刷業者の発注まで、延べ30人のチームメンバーとともに、まるで広告代理店のような動き方をして、ようやく形になりました。
2023年4月、京都市営地下鉄全線・全車両の窓上広告枠に掲示が開始され、京都新聞の夕刊トップに掲載されるなど、京都のまちでちょっぴり話題になりました。大学公認団体を管轄しているいつもお世話になっている学生支援課の職員の方にも「広告みたよ ! 本当にやったのだね」とお声かけいただき、素直に嬉しかったです。
そして、部員とともに「最襄級」のリブランディングに向けて、新たな座組を発案しました。それは、同志社創立150周年の記念事業と絡めることです。もともと「最襄級」は同志社創立135周年記念で発売された水。であれば、150周年の機運に合わせてリニューアルするのがいい節目ではないかと思い、新たに学校法人同志社創立150周年記念事務室さんを加え、三者でwin-win-winになるような企画にアップデートしました。
学生支援課の方に、学校法人同志社の創立150周年記念事務室さんを繋いでいただき、いよいよ企画の協議がスタートしました。150周年を盛り上げるアイデアコンテストを実施し、学生が自分ごととして150周年を考え、認知拡大するためのアイデアを募り、優勝したアイデアは実際に実現するなど、創立150周年記念事務室さんに対しても、広告研究会の総力を上げて”私たちにできること”を考え、行動を通して信頼を積み上げていきました。
そして2023年7月、広告研究会add’sの主導で「最襄級リブランディングプロジェクト」を開始しました。
2023年12月には、製造元である赤穂化成さんのご協力のもと、「最襄級」の取水地である高知県・室戸市の海洋深層水取水施設とボトリング工場の視察をさせていただきました。特に印象的だったのは、海洋深層水が千年規模のサイクルで海洋循環をしていることです。 また、赤穂化成さんならではの優れた技術は、海水から塩分を分離し、ナトリウムの比率を調整することで身体に良いミネラルバランスを保つことだそうです。 このような製造者の想いは、現行のラベルコンセプトでは伝わることはなく、本プロジェクトを通して売り手-作り手-買い手の想いを繋げたいと強く思いました。
当初の計画を見直して検討を重ね、粘り強く交渉を繰り返してようやく実現した本企画。一学生が声をあげ、大きな組織を動かしていくことは、とてつもないエネルギーが必要でした。めげずに走り続けることができた原動力は「絶対よくするんだ」という使命感からです。総勢200名を超える広告研究会のメンバーや製造元・発売元、さらにはラベル印刷会社など関係者のみなさまを巻き込み、なんとかここまで辿り着きました。
リブランディングはまだまだ道半ば。使命感を胸に卒業まで走り続け、後輩へとバトンを渡すことができるように邁進していきます。